微額は美学で増やすんだ

 

微額は美学で増やすんだ!!なぁ江尻

 

 

 

 江尻二軍落ちの報を5月28日の朝日新聞の紙面で知った。

 

 ショックではない。前日の投球内容から言っても当然の処置だと思う。

 

 ハムのHPには、ナインが去った後のベンチで一人うなだれる江尻の写真が掲載されている。絵になると思ってシャッターを切ったのだろう。そして絵にしたと思えばこそ載せたのだ。しかし、絵になるのは敗者の美学を背負った選手だけだ。合格点を逃した者との区別がつかないようでは、ハムの広報の目は節穴としか言いようがない。ナンセンスだ。

 

 

 5月27日、札幌ドーム。セパ交流戦対ヤクルト2回戦。

 

 1回表、2番リグスにソロアーチを架けられる。レフトスタンドへのライナーだった。1ボールの後の2球目、内角高目のスライダー。ここまで12本の猛者に不用意な投球としか言いようがない。

 

 2回表、5番宮出には、外角のスライダーで空を切らせた。イグスのホームラン以降、3番ラロッカを空振り三振、4番ラミレスをセカンドフライに打ち取ってリズムは掴みかけていたのだ。6番岩村も難なく2ストライクまで追い込む。しかし、外角にボール4つを続けてしまった。7番宮本にもストライクを先行させるが、2&2からの5球目、外角に入るスライダーをセンター前に弾き返された。1アウト・ランナーは1塁2塁。ここで初球を振った8番真中の当たりはファーストゴロ。1塁手田中幸雄が取って2塁へ送球。マウンドを駆け下りて1塁ベースカバーに入った江尻に転送されたが、判定は間一髪のセーフ。2アウトランナー1塁3塁のピンチが尚続く。9番米野には、1&1から外角のスライダーを技有りで運ばれた。センター前ヒットで2点目が入る。2アウトランナーは尚1塁2塁。1番に還ってバッターは、去年イチローに続き年間200本安打を達成した青木。早稲田の後輩にも外角のスライダーをセンター前に運ばれてしまった。文句なしのヒットだったが、新庄の肩を以ってしたら2塁ランナー真中の3点目の生還は防げたかもしれない。送球を焦った新庄のお手玉が不運だった。2番イグスに今度は2&3からレフト前にタイムリーを許して、致命的な4点目を献上してしまったのだ。3回表からはマウンドを鎌倉に譲った。この試合で4敗目。

 

 

 確かに不運もあったが、それ以上に各打者を2ストライクまで追い込んでおいて、決め手に欠いたのが敗因だろう。

 

 「何が悪いのか、じっくり考えないと分からない」紙面の江尻のコメントだ。それだけの投球を本人がしていたのか、打たれたことで我を見失った自分を分析しかねたのか、おそらく後者の方だろう。しかし、果たしてじっくり考える必要があるのだろうか。結果が裏目に出たに過ぎないのだ。プロの勝負とは常にそう言うものだろう。吉凶禍福はあざなえる縄の如し。

 

 

 去年と違って惨めな自分を、チーム事情で引っ張られずに済んだのだ。潔く二軍に落ちて来い。

 

 決め手に欠くのはお前の投球美学に問題があるからだ。一流に達する為には、プロ平均にも満たない年俸を恥じて、美学を磨くことだ。

 

 泣くな、江尻!!頑張れ、江尻!!!

 

平成18年528日  斉藤 茂

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