フルスタだよ!!全員集合

 

フルスタだよ!!全員集合

 

 

 

 先発全員安打を記録しながら勝てなかった楽天と、5回に5点のリードを貰いながら勝ち投手になれなかった江尻。どちらの病根が深いか、それが問題だ。

 

 

 先発全員安打のきっかけを作ったのは勿論江尻。1番の鉄平から7番の山下まで、ムラなく打たれたのだから、きっかけどころではない。これは100円ショップのバーゲンセールだ。信じられない大盤振る舞いを我が楽天に施してくれたようなものである。この際だから、勝てない者同士、同病相憐れんでみては如何だろう。負けの二乗を塗り付けられたファンとしては、この怒りを何処にぶつければいいのか、皮肉の一つも言いたくなって当然ではないか。

 

 

 5月6日、楽天7回戦。フルスタ宮城は、昨年の7月2日以来二度目の先発マウンドだ。これまでの戦績は1勝1敗。今シーズンは自身の開幕ゲームとなった札幌ドームでの2回戦に先発している。結果は3回降板。どうも相性が良くない。

 

 

 1回表、1番鉄平に対する一球目は外角低めのストレート。145キロに意を強くしたのも束の間、甘く入った二球目をセンター前に弾き返された。2番高須の初球狙いに救われる。サードゴロゲッツー。3番礒部を料理して3人で片付けたいとろだったが、ライト前に巧打される。2&1から決めに行ったフォークボール、内角低めの厳しいコースだった。技ありの礒部、江尻には相当の自信を持っている。4番フェルナンデスをセカンドゴロに仕留めて、まずは上々の立ち上がり。

 

 2回裏、この回先頭の5番山崎はポンポンと追い込んだ。が、2ストライクから3つボールを連ねた挙句、センター前にヒットを許す。6番憲史にもセンター前へ連打された。7番山下の送りバントで1アウトランナーは2塁3塁。ここは8番沖原・9番カツノリを内野ゴロに切って踏ん張った。ナイスピッチング!!

 

 

 2対0とリードを貰った4回裏。この回先頭の4番フェルナンデスにセンター前ヒット。2アウトを取ったものの、7番山下のタイムリーヒットで1点を許してしまった。毎回安打を浴びている割には傷浅の江尻。ここまではよく辛抱していた。

 

 6対1と一挙5点のリードを貰った5回裏。対戦相手を考えれば、誰の目にも美味しい展開が巡って来たと映るだろう。濡れ手に粟で4勝目をゲット出来ると、当の江尻が思ったかどうか。1番鉄平から4番フェルナンデスまでのつるべ撃ちに遭ってしまった。勝ち投手まで後2つのアウトが取れずにあえなく降板だ。契約寸前まで漕ぎ着けて、取引をご破算にしてしまった憐れな営業マンの後姿を、背番号27に重ねてしまった。6対4とハムが勝利するも、被安打11の江尻に勝ち星はなし。

 

 

 同じプロ仲間から垂涎の的にされる切れ味鋭いスライダーに、よく落ちるフォークボール。どの球種を取っても一流のレベルをクリアしている江尻が、ここまで打たれなければならない訳を教えて欲しいものだ。

 

 スカイAのこの試合の解説者、元近鉄の華麗なるサブマリン佐々木修氏が一言。

 

「江尻君は才に溺れるところがある。プロの打者にストライクを投げれば、打たれて当たり前ですよ。美学を変えることです・・・」

 

 フルスタに集結した二高同胞は、いつまでも君の勇姿を待っているのだ。

 

平成1856日  斉藤 茂

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