思わぬ副産物

 

思わぬ副産物

 

 

 

 我が楽天に二連勝の大盤振る舞い!しかも、その遠征メンバーに加わって来仙した江尻と、直接話す機会を得て楽しい思いをさせて貰った。ファイターズの仙台市民への貢献度は素晴らしいの一語に尽きる。

 

 

 4月11日。ナイターが中止になると、恒例の水泳トレをこなした江尻が元気な顔を見せてくれた。 面子は、朝日放送解説者真弓明信さん・楽天ブルペン捕手の塚田秀典さん・スカイAの藤井プロデゥーサー・平方恭子リポーター、そして江尻慎太郎後援会の桐ヶ窪壮君(高校48回卒)と私の6名である。

 

 当然の如く、9日の試合に話が及んだ。負け試合の完投がいい経験になっているのだろう。江尻に屈託は無い。4回表1アウトから四球を連発して西武5番和田に浴びた3ランが俎上に上った。ダブルプレーを狙ってゴロを打たせるつもりで投げたカーブが、内角に甘く入ってしまったとは、本人の弁。

 

 

真弓さんが江尻を一瞥する。

 

<初球から併殺を狙いにいくアホがおるかい、四球の後やで・・>そう言いたげな眼差しだった。難しい。四球の後だからこそ手を出してくれるとも考えられる。江尻にしてみれば、餌を放ったつもりがまんまと喰いつかれてしまった心境だろう。併殺は一球にして成らず、投球の組み合わせの妙と言いたいところだ。

 

 

旨そうに焼酎のロックを啜って真弓さんが江尻に話を向ける。

 

「今年の藤川球児は駄目やで。キャンプから好い時の自分を追い掛け過ぎや」

 

昨年後半の不調が阪神藤川の状況とダブったのだろう。江尻が饒舌になる。飾り気のない会話に真摯に野球に翔けてきた二人の情熱が行き交う。これで真弓さんの脳裏に江尻の存在が刻み込まれれば万々歳だ。

 

 

真弓さんのファンだと言ってはばからない桐ヶ窪君が、当の本人を差し置いて江尻に説教を垂れる。江尻を思う気持ちが凄まじく現れていた。好ましい。

 

楽天ブルペン捕手の塚田さんに岩隈の状態を聞いてみる。今年は駄目かもの答えにシンミリ。江尻と目を合わせて怪我無きシーズンを祈った。

 

 

15日、関口宏のサンデーモーニングで江尻が話題に上がった。9日西武戦で最後の打者カブレラを三振に仕留めてマウンドを下りる際の江尻が、カブレラに向かって罵っているシーンが編集で映し出された。両チーム一触即発の状況だった。確かテーマは「口は災いの元」。コメンテーターの張本氏が内角攻めは当然と江尻の肩を持ってくれたことが救いだった。江尻も勝負にのめり込んだから熱くなったのだろう。死球に怒ったズレータの乱闘劇を見るにつけ、殴られたのが金村でよかったと思ってしまう。紙一重のところで勝負に掛ける江尻にプロの逞しさを垣間見た。

 

平成18417日  斉藤 茂

 

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