江尻背水の陣

 

江尻背水の陣

 

 

 

4月12日(火)野球部OB及川君(22回卒)の現地応援も空しく、江尻は   西武ドームに散った。初回からの大量リード、一年前の初勝利の感触、マイナス思考の入り込む余地がない程、フォローウインドが舞っていたと言うのに、見るも無残なノックアウト劇だった。

 

3回表2アウトから3番フェルナンデスに浴びた3ランは外角ストレート。2&1から勝負に行った棒球をレフトスタンドに運ばれた。思えば、昨年のプレーオフ第一ステージで4番カブレラに献上したグランドスラムも2&1から。もう一球ボール球を操れる余裕があったはずなのに、勝負を焦ればこうなると言う手本を示してしまった。 

 

 大量リードに守られるはずが、大量リードに圧し掛かられて、4回表は下位打線に2失点。5回表は5番和田の一発で合計6失点。しかも3イニング連続の失点に仏顔のヒルマン監督の表情まで変えてしまった。勝投手の権利まであと2つのアウトカウントを残して、非情な交替指令を出される。結局日本ハムが15対7で勝利するも勝ち星は付かなかった。 

 

それにしても4番カブレラの影に怯え過ぎてはいないだろうか。3回表2アウトランナー1塁・3塁で3番のフェルナンデスに勝負を急ぎ、5回表はカブレラ本人を取って一息ついた直後の一発だった。

 

「調子を云々する前に勝ちは勝ちなんや。考え過ぎれば次打たれるで」

 

いみじくも、いわきの楽天戦のヒーローインタビューを聞いた、野球解説者真弓明信氏の呟きである。まるでその通りになってしまった裏側には、やはりきれいな勝ち方、理想の打ち取り方に拘泥する江尻の考え過ぎがあったと思う。その考え過ぎが、カブレラへの意識に拍車を掛けているのだ。 

 

真弓氏とは放送終了後の打ち上げの席で懇親を深めることが出来た。氏は酔うほどに輝かしい球歴はそっちのけで、もっぱら代打時代を過ごした現役最後の頃の思い出を熱っぽく語ってくれた。投手との駆け引きを醍醐味と感じられて、もっとも野球が楽しい時期だったと言う。

 

力勝負に挑んだまま己を敗者扱いするのだけはやめて欲しい。今の江尻に言いたいことだ。駆け引きには「してやったり」と「してやられたり」、2つの結論があれば充分なのだ。勝負哲学に徹しなければ、次のロッテ戦にも被弾することだろう。 

 

幸い、ロッテとは初顔合わせ。4月18日月曜日、両目を開ける為のマウンドに江尻は立つ。場所は札幌ドーム、プレーボールは18時。パーフェクTVGAORAが完全生中継する。

 

418日 東北朝日プロダクション 斎藤茂

 

ダウンロード
20050418江尻背水の陣.pdf
Adobe Acrobat ドキュメント 15.2 KB